Summer Love


俺達は、爽やかな砂浜を歩いていた。



昼下がりの炎天下というのに、妙に涼しい。



雨の匂いがする。



「離してよ………修先生………離してってば………」



俺は答えなかった。



だが、海岸端のところで手を離し向き合った。



「どうゆうつもりだよ!!俺も巻き込んで!!自分のやってることが、恥ずかしいと思はないのか!!今回ばかりは、俺は許さないぞ!!」




自分でも、相当腸が煮えくり返ってるのが分かった。


自分でも、純奈を罵倒するのが止められないくらいに、イライラしてた。



まぁ、はたから見れば思わせぶりをする純奈が100%悪いので、同情はしてもらえはするだろうけど……怒っている理由はそんな事ではない。




「本当はこっそり、俺と近づくためなのか?」



「……え?」



やっと下を向いていた、純奈が顔を上げた。



「思わせぶりをしといて、刺激をすることによって俺が振り向くとでも思ってんのか?」




この発言もまた、はたから見れば「何言ってるんだ、このおじさん」となるのかもしれない。




だが、俺は同僚に引かれるほど告白だって何百万と受けてきて、断ったら地獄のような難癖をつけらた身でもある。



だからこそ、女子生徒に相手しないように避けて立ち回ったつもりだがーーー今回もまた厄介事に巻き込まれているわけで。




「初めは純情乙女のふりをして、あとから俺をたぶらかして遊ぶつもりだったーーー違うのか?」



「ち……違うよ!!私はただーーー怖いの!!」



「怖いって、何がだ!!」




「修先生の事を、好きな事と零と向き合おうとする事だよ!!」



終始意味が理解できない。




好きな奴と向き合うって、お前……零にあの態度で向き合っているわけないはずだろ?