こんな顔が真っ赤になって、囃し立てる仕草を俺は今まで見たことがない。
周りは息を呑み、固唾を飲み込む。
「私は、誰かをちゃんと愛そうとするとーーー愛した人が酷い目にあうの!!これは絶対なの!!だから………だから、私は誰も傷をつけず、誰の物にもなって欲しくないから………悪者になりたいの!!!傷つくのは、私だけでいいの!!」
「なんなのよ……なんなの!!その悲劇のヒロインぶった思考!?それで、周りが迷惑してるって、気づいてないわけ?!死ねよ!!」
また動こうとする友香に、終止符を打つために零は友香を押しやって前に出た。
ドスンと尻もちをついた、友香は拍子抜け。
そんな様子を見てた、隼斗はすぐさま友香を支える。
「もう、僕は………耐えられない!!君が本当の事を言ってくれないというのなら………婚約解消だ!!さようならっ!!」
駆け出した零を追う、百合。
それぞれの場所に散り散りになってゆく、野次馬達。
「………これで、これでよかったんだよ……やっぱり私は………恋愛や、愛を知るべきではないんだよ………」


