そう声をかけた。
眩しい昼下がりの砂浜の上。
白いワンピースをたなびかせ、甘栗色のストレートな長髪は絹のように柔らか。
振り向いた瞬間、琥珀が埋め込まれたかのような瞳に、吸い込まれそうだった。
「修……先生?」
事前に話を聞いていなかったのか、困惑する彼女。
ーーーやはり会わなかったほうが、身のためだったのかも。
そう頭によぎって、それを打ち消した。
会わなかったほうがよかった?
なぜ俺は、そんなに弱気だ?
そもそも生徒に、どうしてそこまで肩入れしているんだ?
「久しぶりだな、純奈。零に居場所を教えてもらったんだ。調子はどうだ?」
いつものように、振る舞う俺。
別に何も気負うことなどないはずだ。
あくまで、純奈と俺は生徒と先生であってそれ以上以下でもないのだから。
「えっと……順調かな……って、でも修先生仕事は?」
それまでの事情を説明。
「そっか………大変なんだね。先生も」
「おかげさまでな」
彼女はそっと、髪をかける。


