だけども俺は、何も手出しできずに声をかけることはなかった。 だが、純奈が桜の木の降る卒業後。 噂は流れた。 「零先輩と、純奈先輩は本当に結婚するかも」と。 それが悪いことだとは、1ミリも思わない。 だけれども、会いたい気持ちが先行する。 それは、一人の生徒を見守りたい愛なのか、それともこの奇妙な運命の結末を見届けたいのか分からない。 「純奈?」