Summer Love




だけども俺は、何も手出しできずに声をかけることはなかった。


だが、純奈が桜の木の降る卒業後。



噂は流れた。



「零先輩と、純奈先輩は本当に結婚するかも」と。



それが悪いことだとは、1ミリも思わない。


だけれども、会いたい気持ちが先行する。



それは、一人の生徒を見守りたい愛なのか、それともこの奇妙な運命の結末を見届けたいのか分からない。


「純奈?」