クラス委員会に入っていたとは耳にしたが、偶然会うとは。
「………こんばんは……っていうか、ごめんなさい……修先生ーー私のせいでーー」
「え?あぁ、気にするな」
まぁ、気にするなと言われてもしてしまうものはしてしまうのだが。
でも、どうしてだろう。
どうして、純奈は零という完璧な男を捕まえているのにも関わらず、「お守り」をつけているんだ?
「なぁ」
純奈が座り込んだとき、肩を震わせた彼女。
「どうして、つけてるんだ?零と会うとき。好きじゃないのか?」
「怖いから」
ーーー怖いから。
その言葉は、一歩踏み出せずに駄々をこねて泣きじゃくる子供のような幼いエゴ。
「怖いって……暴力とか、振るわれてんのか?」
「うんん。そういうわけじゃない。ただ、私が愛を求めれば皆酷い目にあうの……ただそれが怖いから」
「でも……もう、零っていう立派な彼氏がいるんだろ?心開いてくれているようなものだろ?前に進むべきなんじゃないのか?」
純奈は目を伏せて、答えなかった。
「時間だ。じゃあね。修先生」
そう呟いて、去った純奈の顔を見るとどこか痛々しいような、助けを求めているような雰囲気があった。


