「俺は、自分が情ねぇ……ほんと馬鹿だ……」
しゅんとしている隼斗を他所に零は答える。
「「ロンドンの名門音大に行って滞在中じゃない?」って?
それは帰省してきたって感じかな。
丁度休暇ができてさ。
顔合わせをしようって事で、高校に行ってみた。
けれど修先生がいなくて、困ってね。
そこで、校長に話を聞いてーー」
「今ここにいる」と言わんばかりに、肩を上げた。
「じゃあ、純奈先輩いないってこと!?」
目を輝かせた友香。
どんだけ、敵対心を燃やしていたんだと呆れ。
また、ため息。
「残念。
それがいるんだよ。
純奈も行きたいって、修先生の件を話したらね」
一瞬、俺と零の視線が合った。
それはプライドのぶつかり合いのような。
思わず、目を逸らした。
変な冷や汗が出る。
「でも、純奈先輩は零先輩と婚約してるからね。
取られる心配は無いってことだよね!!
修っちは私の物ー!!」
腕に体を寄せ付けぴったり、くっついてきた。
もう、勘弁してくれ!!
「ちょっと!!
離れないで!!
どこ行くのよー!!!」
間一髪、友香から走り去ろうとした時。


