「純奈………どうしてお前、やって来たんだ……」
「しゅ、修先生に、お、恩返しする為だよ!!私は、私は、修先生の事を恨んでいません!!今日実のおばあちゃんから……全て聞きました。でも……私は修先生の事が大好きなんです!!周りの先生たちから、「アダルトチルドレン」と呼ばれ疎まれていた時も、か、変わらず私に手を差し伸べて、手伝ってくれた優しさが、か、彼にあるんです!!それに、何もできない、ど、鈍感な私をちゃんとした名前で、は、初めて呼んでくれたのも、しゅ、修先生なんです!!そして、この場所に来られるゆ、勇気が出たのも、た、沢山の愛を注いでくれた、しゅ、修先生に代わりはないんです!!嫌いだったら、わ、私はこの場所にいません!!何故なら、修先生は私にとってみれば下手をすると、お、親の敵ですから!!」
純奈の乱暴とも言える、大きな声のスピーチ。
辺りは一瞬、静まり返った。
だがーーー一人立ち上がって拍手が鳴る。
そこに立っていたのはーーー。
「零……、お前も………」
「修っち!!私も同じく、沢山のものを貰ったよ!!だからこそ、教師を続けるべきだよ!!辞めなくていいよ!!」
零に続いて友香が。
そして百合も拍手。
そして雪崩れるように、全校生徒に拍手をされる俺。
「皆さん!!落ち着いてください!!」
校長が仕切るも、「辞めないで」というコールが止まらなくなった。
「皆……、ありがとう」


