「だからさ、修先生はやっぱり悪い人じゃないんだよ。本当に素行が悪かったら、生徒に対して依怙贔屓ばかりして、今頃学校の先生っていうのクビになってるはずなんだよ?そうでしょ?」
「純奈………貴方は、やっぱり強いのね……」
「もしかしてさ、今回のクローバーにみんな集まったのっておばあちゃんが仕組んだの?」
「………ごめんなさい。答えられないわ」
沈黙を貫くというのなら、答えはそうなんだろう。
「ごめんなさい……おばあちゃんがこんなにも、あの事件の事で苦しんでいるなんて知らなかった………。これは向き合わなかった、私のせい」
握り拳をぎゅっと握って、息を吸った。
「やっぱり、私もおばあちゃんから卒業するよ。ちゃんと、一人で生きていける様に地に足をつける!!だから、だからーーー」
おばあちゃんは鼻で笑った。
「もういいわ。行きなさい。彼の所へ」
「おばあちゃん………」
「でも、ちゃんとそういったのなら、自立しなさい。自分の選択は、ちゃんと責任を取るのよ?」
「ありがとう……!!」
私は、一目散に砂浜を駆け出した。
愛しいあの人と、対決する為に。
バスに乗り込んで、高校へ向かっている時に、私は電話をかける。
ーーお願い、出てきて!!
「純奈………?純奈なのか?」
「修先生………教師辞めるの?」
サラサラとした砂嵐みたいな音。
ちょっと戸惑ったような曇り声。


