私は純奈先輩に隠してきた、先生の過去と真相を話した。
「そう、だったの……」
「黙っててごめんなさい。純奈先輩」
「うんん。いいの。聞き返さなかった私が悪いからさ」
「それと、私………純奈先輩に謝りたい」
「……?」
「ごめんなさい。純奈先輩の過去も知らずにーーー「思わせぶり野郎」なんて口走っちゃって……」
「あぁ……良いのよ。だって、ある意味事実だったし………私自身の過去への甘えだったから」
「そっか……純奈先輩も悩んでたんですね……」
「お互い様にね」
2人で微笑んだのはいつぶりだろう。
ずっと遠い昔のような気分だ。
いつもそばにいた先輩であり、友達だったのに。
「それで………どうしたら良いんですかね?修っちの引退の事………」
「私、頑張ってみる。そんな事、私は望んでないもの!!気持ちをぶつけてみるって所ね」
「純奈先輩?」
問いかけたところで、電話は切れた。
これから起こることも、想定ができなかったのは時間の問題で。
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