月と太陽



「…影守っ!!」

私が先に行く影守を追い掛けて
名前を呼べば影守は足を止めて
ゆっくりと振り返った。

「…どうしたの。
というか外で大声で名前呼ばないで。
誰が聞いてるか分からないでしょ」

影守は冷静にそう言った。

「…ごめん、でも俺、影守に謝りたくて、」

2人きりの時にしか使わない
"俺"という一人称。

本当はずっと自分の事をそう呼びたかったが
心が男だと誰にも打ち明けられない以上
使う事は出来なかった。

でも影守は、影守の前だけでは
素の自分を今さらけ出せる。