月と太陽

「…裕太先輩、あの、私はもう、」

"付き合えない"そう言おうとしたが
私が何を言おうとしているのか察したのか
1回ぐっと強く抱き締められた後、

「光守の気持ちが落ち着くまで
俺はいつでも待つから…。
会えなくても構わない。
ただ、まだ彼氏として光守の傍にいたい」

裕太先輩はそう言って私の身体を離すと

「…光守が例え、違う男を好きでも、
俺はそれでも構わないから」

そう言った。

「…え?」

「…この前、
始業式の日に一緒に帰ってた男の子、
光守はあの人の事が好きなの?」

…流星の事?

先輩、流星と帰ってた事を知ってたんだ。

「いや、流星は友達で…」

私がそう言えば

「…光守は友達と思ってても
きっと流星君はそうは思ってないかもよ」

先輩は静かにそう口にすると

「でも、俺は光守を手離す事は出来ない。
俺は…ずっと光守の事が好きだから」

強い眼差しで私を見つめて

「ちゃんと話せて良かった。
光守からの連絡、いつでも待ってるから」

それだけ言うと、先輩は去って行った。