月と太陽

…か、可愛いって。

その言葉に私まで照れそうになるが…

でも、そっか。
光守は多分、流星とか他の男子に対して
無意識だろうがやっぱり"同性"として
接していたのかもしれない。

だから男子に対しては余計に
言いたい事もはっきり言ってただろうし
男友達も多かったのだろう。

「…流星の言う通りまだ本調子じゃないかも。
でももう大分体調も良いから安心して」

私がそう言えば

「いや、体調が良いならいいんだけど。
光守に可愛く微笑まれて嬉しかったし、
って何言ってんだろうな俺…」

流星はまだ照れた様子だった。

…流星って光守の事が好きなのかな。

確かに光守は顔も性格も良いし
絶対モテてただろうと、
今日実際に学校に行っただけで分かった。

…でも光守はもう、学校には来ない。

こうして皆を騙すような事をするのは
心が痛いけど、
私は光守の事が何より大事だから
とにかく今は光守の居場所と
守ってきた光守の人柄を貫き通す事だけを
考えよう。

そう思いながら流星と2人並んで帰った。