月と太陽



「あー、明日から授業始まるのか~
朝起きるの憂鬱だなぁ」

流星と横に並びながら帰り
私はとりあえず光守らしく明るく言えば

「光守はいつも遅刻ギリギリだもんな」
と笑われた。

「しょうがないじゃん。
寝るの大好きだし、朝苦手なんだもん」

私が口を尖らせて可愛く言った。

普段の私なら絶対にしないような
女の子らしい仕草。

…光守らしい行動を心がけてやっているが
光守だって本当はこんな女の子らしい事なんか
したくはなかったはずだ。

そう思えば、
私は素直で愛される光守をずっと羨ましいと
思っていたが、光守は無理して誰からも愛されるように自分のキャラを作りあげていたんだ。

自分は女の子だと言い聞かせて
友達も家族も、そして自分も傷付けないように
ずっと無理して…。

私がふとそう思っていれば