月と太陽

「…もう大丈夫だよ。
ただの夏バテだっただけ。
心配かけてごめんね」

複雑な思いをしながらも
私が微笑んで2人にそう言えば

「ホント光守ったら、可愛いすぎ~」
とぎゅっと歩夢から抱き締められたと同時に

「光守の元気そうな顔見れて良かった」
と流星からも言われた。

…光守はこんなにも
色んな人から愛されている。

もし、光守が本当に普通の女の子として
産まれていたのならば…
光守は何も悩まずに済んだのに。

幸せな人生を歩めたはずなのに。

そう思えば
やっぱり心は痛いままだった。