月と太陽

私が真剣に聞けば

"…私は影守の事を何より信頼してるし
影守の人生を絶対に壊したくはない…。
自分が男の心を持っていても、
影守の人生まで背負ってる…って
その重しさえあれば
女子達の前でも普通に振る舞える気がする。
今の私にとってはまだ
新しい環境で高校を変えて生活するより
何かしらの負荷がないと…前に進めないから"

光守も真っ直ぐな目で答え始めた。

"…お父さんとお母さんにはまだ言えない。
確かに突き放したりはしないだろうけど…
2人は絶対に、私をこんな風に産んで苦しめてしまった自分達を責めると思う。
私のこれからの人生を考える度に辛いだろうし。どうして気付いてあげられなかったのかとか、もう…幸せな人生を歩めないんじゃないかとか親は私や影守以上に、自分達を責めるよ"

"…"

"絶対に完璧な高校生活を終わらせる。
影守の人生の一部を借りるんだから
私は絶対に失敗はしない。
影守は…出来る範囲で良いから。私の為に…
まだ私の良いお姉ちゃんでいたいって言ってくれるんだったら少し協力してくれないかな"