月と太陽

「…ありがとう、光守」

光守の方こそ私と違って話上手で優しくて…
色んな人に愛されてるのに…

それを気取りもせず
私みたいなのを自慢なんて言ってくれるなんて
本当に優しい妹だと思った。

「光守にはきっと
良い彼氏が出来るだろうなぁ…」

私が何となくそう思いポツリと呟けば

「…え?」

光守はきょとんとしていて…

「光守の学校は共学でしょ?
私は女子校だし…恋愛とは無縁だけど
光守は凄く良い子だからきっとモテるでしょ?
好きな人とか出来たら教えてね」

私はこう見えて恋愛小説が好き。

これだけ人間が存在する中で
お互い出会って好きになって
カップルになれるって…
本当に奇跡のような事だと思っている。

お父さんもお母さんも仲良しだし、
いつかは素敵な家庭を作る事に憧れてるけど、

私のような影の存在には出来なくても
光守には、きっとすぐ守ってくれる人が
身近に現れるはず。

光守には幸せな人生を辿ってほしい。