月と太陽

私が感情を露にして怒れば
肩を震わせている私とそっくりの小さな背中…

…優しい言葉だけでは光守を救えない。

それなら私はあえて
悪者になっても良いと思った。

光守を守れるのなら、
私はどんなに嫌われてもいい。

光守が私に嫌われた方が楽だというのなら
自分勝手に接した方がいい。

私はそっと光守に近付いて言葉を続けた。

「光守、私は光守の心を救いたいだけの純粋な優しさなんか持ってないよ。
私は自分の心も守りたいの。
光守を救う事で自分も楽になれるから」

「…何それ」

「私って良いお姉ちゃんだなぁっていう
自己満足?私がそんな考えだったら
光守だって私を利用してみる価値あるんじゃない?こんな自分勝手な考えの私みたいな人間が傍で幸せになってもまだ、自分を犠牲にしたいなんて、光守は思えるの?」

「…」

「悔しくないワケ?」

私がそう言えば、光守はゆっくり振り向き

「…影守、」

切なく、でもどこか何かを決心したような表情をしていた。