月と太陽

水田先生の言葉が
今自分に置かれた現状にひどく突き刺さり
思わず涙が一つ溢れた。

「…何か悩んでいるの?」

水田先生はそう、静かに優しく言った。

「…大切な人が今、凄く悩んでて、
私、でも何て言ったらその人の心を救えるのか
分からなくて…どうしたらまた笑い合えるのかなって、ずっとこのままなのかなって…
そう思うと、苦しくて…」

私が震えた声でそう言えば
水田先生は私の肩に優しく手を置くと

「無理して何か良い事を言おうとしなくたって良いじゃない。北条さんは大切なその人を救いたいって、見放したくないって、人として1番大事な事が分かってるんだから、何も悩む事なんてない」

「…」

「でもね、やっぱりちゃんと言葉にしないと
相手には伝わらないから、北条さんは
仮にその人に1度や2度手を振り払われたくらいで、諦めてはダメよ。その人が本当に大切な人なら、何度も何度も立ち向かって、その人の心を少しずつ溶かしてあげないといけない」 

「…」

「最初から全て上手くいく訳ないんだから。
でも北条さんなら、きっと乗り越えられる時がくる。また、幸せな日々が戻ってくる。
時間を信じれば、良い事が起こるわ」