月と太陽

「光守、」

私がそう呼べば、
お母さんは私の身体を離し振り返ると
びっくりした様子で光守を見た。

「…光守、体調は大丈夫なの?」

お母さんがそう聞けば
光守はポロポロ涙を流し

「…俺の事より、影守が、」

…ずっと私の事で
罪悪感にのまれていた様子だった。

「光守、私は大丈夫だから」

私はそう言うが

「大丈夫な訳ない。
俺が…俺が影守に心が男なんて言わなければ
学校を入れ替わったりしなければ、
こんな事にはならなかったのに…」

「…」

「ずっと、俺が我慢してれば良かったのに!」

光守はずっと悲痛な思いを叫ぶ。