月と太陽

「…目、覚めたんだ」

そう言って近付いてくる人を見れば

「…裕太、先輩、」

裕太先輩は優しく笑いながらも
どこか怖い雰囲気を出していた。

「…そんなに緊張しなくても良いのに」

先輩は私の寝るベッドに座ると
私の顔をじっと見てきた。

ドクドクと心臓が嫌な音を立てる。

…優しいと思っていた先輩が、
こんな事をするなんて。

もしかして…光守を傷付けようとして…?
でも、私はまだ女子校の制服のままだし…。

そう思っていれば

「…君、ホントに光守と顔がそっくりだね」

そう、どこか切なそうに言われた。