月と太陽

…状況が全く分からない。

光守は何にそんなに怯えて苦しんでるの?

「…私にも話せない事なの?」

私が聞けば光守は黙っていた。

「光守…私、光守が心配だよ」

思わず私が泣きそうになれば

「…話したら影守に嫌われるかも。
それが怖い。影守から距離を取られたくない」

光守は苦しそうな表情をしていた。

…何とか光守の心を救いたい。

いつも光守の笑顔と優しさに
助けられてばかりだったんだから
こんな時くらい双子とはいえ
お姉ちゃんらしくしないと…。


「私が光守を嫌うなんて何があってもないよ。
光守はずっと産まれた時から一緒だった
大事な双子の妹なんだから」


私がそう言って光守の震えた
両手をぎゅっと握り締めれば


「妹…」

どこか切なそうにそう呟き、
それはこの前彼氏の話題をした時の
表情と似ていた。

「…そっか、そうだよね」

光守はそこで涙を流すと
何とか息を整えて
決心を固めたように
私の目をまっすぐ見て口を開いた。