月と太陽

「え?あ、前田(まえだ)さん…おはよう」

今まで話し掛けられなかった前田さんに
突然挨拶をされ、思わずびっくりした。

「北条さん、その顔…どうしたの?」

「…え?」

「ガーゼ貼ってるし…大丈夫?
それに髪も短く切ったの?」

「あ、うん。大丈夫。
髪もちょっとイメチェンしようと思って…」

光守には万が一私の髪の事を言われた時に
複雑な思いがするから酷だろうと思い
ウイッグを被せていたが…

別に自分が何か言われるのは構わないし…
良い機会かと思いそのまま登校してみた。

「そう…可愛いとは思うけど、
何か…色々と心配だから」

すると北条さんはそんな風に言い出し

「最近北条さん、前より少し
笑顔が増えた気がするけど
この前も体育の時も体調崩してたし…
何か気になって」

「…」

「今度は怪我までしてるし、髪も切って…
私、北条さんの事は寡黙だけど
ずっと良い人だと思ってて
仲良くしたいと思ってたから。
何か悩んでるなら…いつでも相談してね」

私に笑顔を向けてくれた。