月と太陽



次の日。

私が玄関でローファーを履いていれば

「影守、学校…
もう少し休んでても良いのよ?」

お母さんは心配そうに言った。

私はお母さんと目を合わせると

「私は本当に大丈夫だよ。
だからお母さんは
光守の事を気にかけてあげてね」

私がそう微笑みながら言えば
お母さんは少しびっくりしながら

「…影守、何だか雰囲気が変わったわね。
凄く…柔らかい表情をするようになった」

そう言っていた。

…確かに前までの私は
別に自分を取り繕う必要もなく、
お母さんやお父さん、
光守さえ傍にいてくれたらそれで良いと
そう思っていたけど、

光守を演じる事で、
光守の生活を見て知った。

人と関わるのが
こんなに楽しいなんて知らなかったし、

人に愛される為には
まず自分が愛されるように振る舞わなければ
意味がない。

私がこんな風に考えられたのも
流星や歩夢…水田先生と仲良くなれたのも
全部光守のおかげだから。