月と太陽

「うん、影守だよ。大丈夫だから…」

私はそう言って光守をぎゅっと抱き締めた。

「…うっうっ、影守、」

光守は震えた身体で
私の背中に弱々しく手を回してきた。

「…光守、まだ吐きそう?大丈夫?」

洗面台の中から
先程の嘔吐物の独特の匂いがツンッとして…
私が聞けば

「…大丈夫だよ。
ちょっと休めば良くなるから…」

そうは言うがまだ呼吸が荒い光守。

…一体、何があったのだろうか。

「…具合悪かったから、帰り遅かったの?」

学校の保健室で休んでたのかな…。
そう思って聞けば首を横に振った光守。