月と太陽

とりあえず私は部屋の中に光守を招こうと
立ち上がろうとすれば
光守が腕を掴んで支えてくれた。

私は光守を部屋に招き、
ドアを閉めて光守を見れば

どこか心配そうな、でも何か決意したような
そんな意思のある眼差しで私を見つめていた。

「…影守、裕太先輩と会った?」

「…うん」

私が正直に頷けば
光守は取り乱す事もなく

「そうだよね。
いつまでも…逃げられないし、
いつかは影守に裕太先輩との事で
迷惑かけるって分かってた」

と静かに口にした。

「…裕太先輩、まだ光守の事…」

私がそう言いかけた時、

「俺の事、
まだ好きだって言ってくれたんでしょ」

と光守は全て分かってるように
切なそうに呟いた。