月と太陽

コンコン…。

と、ドアが急にノックされたかと思えば

「…影守、光守だけど…」

入れ替わる生活を始めてから
珍しく、光守が私の部屋を訪れた。

「…」

今まさに学校の事で悩んでいて
頭が混乱している状態で…
光守とまともに話せる事はきっと出来ない。
私が思わず黙っていれば

「…影守、どうした?」

光守がドアを開けようとしたのが分かり

「…光守、待って、」

私は気付けば

「…お願い、入らないで。
今、光守とまともに話せないよ…」

弱々しく泣きそうな声で、
そんな事を言っていた。