月と太陽

…光守には、裕太先輩と会った事も
言われた事も言えてない。

そんな事を言えば光守は絶対また動揺する。

せっかく少しずつ元気を取り戻してきたような
感じなのに、こんな事言って
先輩の事を思い出させたら
またトラウマを引き起こさせてしまう。

家でも学校でも何か良い方法はないか
ずっと考えているけど…
誰にも相談出来ないし考えも浮かばない。

私が放課後席に着きながら
ぼーっと考えていれば

「光守、」

ふと名前を呼ばれハッとして見れば

「光守、大丈夫か?」

目の前の席にいつの間にか流星が座っていて
私を見ていた。