あなたを笑顔にするために、今日も朝陽は輝きつづける2

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あなたを笑顔にするために、今日も朝陽は輝きつづける2
作品番号
1741160
最終更新
2025/01/08
総文字数
12,630
ページ数
1ページ
ステータス
完結
PV数
99
いいね数
1
 「わたし今、がんのステージ4なんです」


 個人懇談をやっていたとき、急に打ち明けた保護者のお母さんの一言に、場の空気が一瞬で凍りつく。


 ちょっと保育園での子どもの様子を話して、ちょっと家庭状況を教えてもらうだけの、軽い気持ちで望んだ個人懇談だったのに。


 そのときわたしは、そのお母さんになんて言葉をかけたらいいか、まったくわからなかった。


 それは心配ですね…、ちがう。


 きっと大丈夫ですよ…、ちがう。


 困ったことになりましたね…、ちがう。


 どれもどれもちがう。こんなとき、どんな言葉をかけたらいいかわからない。


 絶体絶命な家族の危機だというのに。


 いくら、その子の、その家族の、幸せを願っていても、笑顔にしたくても、こんなとき保育士は無力だ。


 結局わたしは、「え…」と口からこぼれ落ちたきり言葉を詰まらせてしまい。


 心から心配している眼差しを向け、うんうんと泣いて頷きながら、そのお母さんの話を聞くことしかできなかった。




 ※この作品はわたしが保育士をしていて実際にあったことを、小説作品のキャラクターに当てはめて創作したものです。


 ※この作品は前作である、『君は君のままでいい』と『君が星を結ぶから』の時系列では中間の話になっていますが、この作品単体でも楽しめるように作ってあります。
あらすじ
 椿 朝陽(つばき あさひ)

 本作の主人公で新人の女性保育士
 なにもできない自分の無力さに打ちひしがれる

 白井 香澄(しろい かすみ)

 医者から余命宣告を受けた、お母さん

 白井 誠(しろい まこと)

 お母さんを助けるために、必死で足掻くお父さん

 白井 心(しろい こころ)

 香澄と誠の娘
 不安で心が揺れている

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