私たち、幸せに離婚しましょう~クールな脳外科医の激愛は契約妻を逃がさない~

 困ったことに主真の再婚相手を探そうにも、自分から主真に興味ありそうに寄ってくるのは、どこか性格に難ありの女性ばかり。とても彼に薦める気にはなれない。

 かといって、自分で探そうにも主真の好みもわからないから動きようもなく、困ったものだ。

「沙月」

 この声はと、ハッとして振り向くと華子がいた。

「来ていたの」

「はい。たまには参加してみようかと思って」

 華子は沙月にしか聞こえない小さな声で「呑気なものね」と溜め息をつく。

「美華は毎日クタクタになって帰ってくるっていうのに、パーティーとは」

 今沙月たちがいるのは、講演会後、別室で設けられた会食だ。パーティーと呼べるほど豪華な食事はない。親睦が目的のため、食事は軽食があるだけだ。

「主真さんの夕食もほったらかして、主婦がなにをやっているんだか」

「すみません、次は講演会だけで帰ります」

 もう参加しないと言えば満足するだろうが、その場しのぎの嘘はつけない。

 それにもう、ただ言いなりの私は卒業したんですとの決意を胸に「失礼します」と、華子背を向けた。