私たち、幸せに離婚しましょう~クールな脳外科医の激愛は契約妻を逃がさない~

 これまでもこんなふうに興味津々で近づいてくる女性はいた。それだけ主真が女性たちを惹きつけていたのだろう。イケメン御曹司の優秀な脳神経外科医なのだから、当然といえば当然で、沙月は心で苦笑を浮かべつつ、その目に耐える。

「そうですか、今後ともよろしくお願いします」

「いえいえこちらこそ。それにしても、青葉さんがまさか結婚するとは思ってもいなかったものだから、そうですか、あなたが……」

 彼女はあきらかに見下した視線を向ける。

 これは、私なんかですみませんとでも言ったほうがいいのかと、沙月が戸惑っていると、彼女の隣でMRが顔を引き攣らせていた。

「お話中すみません、ちょっとよろしいですか?」

 割り込んできた女性は知人の薬剤師で「相手にしないほうがいいですよ」と、これみよがしに沙月の手を引く。

「なんですかあれ、失礼な。大丈夫ですか沙月さん?」

「はい、大丈夫ですよ」

 あははと笑ってごまかしながら、密かに思う。

 主真が結婚を嫌がってきた理由がわかる気がした。