私たち、幸せに離婚しましょう~クールな脳外科医の激愛は契約妻を逃がさない~

 まるで沙月が尻軽だと言わんばかりの発言には呆れるばかりだが、主真がここに来た当初は、病院内での華子の評判は悪くなかった。

 医局に顔を見せるときも大袈裟すぎるほどに労い、必ず手に菓子折りを持ってきて振る舞う。〝私はなにもわからないから〟と腰を低くする。

 そんな振る舞いゆえに、人によってはいい人でよかったなどと感心したように言っていたのだ。

 だが、最近になって、隠しきれない二面性が囁かれ始めている。

 二言目には、事務長に相談してみてくださいと言って逃げてしまう。わからないというよりも、知ろうとしない責任回避の態度。相手によっては露骨に顔をしかめ、掃除スタッフをバカにしているのか挨拶をされても返さないという傲慢無礼。MRのパーティーには足繁く通い、そのくせ得た情報の報告は一切ない無能ぶり。

 理事長代理がもし理事長になったら、この病院は大丈夫なのか?と、思っている者はひとりふたりではないだろう。

 華子の仮面は少しずつ剥がれている。