私たち、幸せに離婚しましょう~クールな脳外科医の激愛は契約妻を逃がさない~

 脂の乗ったカンパチだった。確かに美味しいけれど、話の内容が内容なのでうまく味わえない。

 お茶を飲んで、そっと息を吐く。

「でもよかった。お父さんもわかっているんだな。君ならできる、大丈夫だ」

 伸びた手が沙月の手に重なった。

「協力するから安心して」

 ハッとして胸を高鳴らせながらその手を見つめた沙月は、顔を上げて主真の目をジッとみた。

 彼の手に包まれるだけで、フツフツと胸の奥から勇気が湧いてくるようだった。

 この力強い手がそばにあるだけでなんでもできる気がしてくる。

 彼が薄羽にいてくれるうちに力をつけようと、沙月は心に誓った。

「頑張りたいです。ただ、なにからどうしたらいいか、本を読んだだけじゃよくわからなくて」

「今度、一緒にお父さんのお見舞いに行って話をしよう。知人に優秀な経営コンサルタントもいるし、俺の親友には医療系商社の役員もいる」

「ありがとう主真さん」

 泣きたいくらい、沙月はうれしかった。