私たち、幸せに離婚しましょう~クールな脳外科医の激愛は契約妻を逃がさない~

 事務長から聞いた話を包み隠さず聞かせた。

 医療機器だけじゃない。継母は看護師やスタッフの待遇を下げようと画策している。そのためにスタッフの粗探しをしているらしいのだ。

 だが、外面がいいだけに皆気づいていない。

 悪い指摘はすべて秘書や事務長にさせて、自分はにこやかに労うそぶりをしているのだ。

 だから秘書や事務長の悪口は耳にしても、継母の悪い噂は聞こえてこないのである。

 それが歯がゆい。

「事務長が辞めてしまわないか心配なんです」

 今は何よりもそれが怖い。この上事務長までいなくなってしまったら、薄羽はどうなってしまうのか。そんな未来は考えたくもない。

「わかった。今度事務長とよく話をしてみるよ」

「でも、いいんですか?」

 契約結婚なのにそこまで頼ってしまっては申し訳ないのではと心配になる。

「無理はしてないから心配しなくていい。さあ、食べて。カンパチも美味いよ」

「あ、はい」

 イカの次はカンパチが出されていた。