私たち、幸せに離婚しましょう~クールな脳外科医の激愛は契約妻を逃がさない~

 こともなげに言う主真は気にしていなさそうだが、やっぱりそうだったのかと、羞恥心でいっぱいになった。

「すみません。重たかったでしょうに」

「いや、全然。そういえば、経営の勉強をしているんだな」

 机の上に本があったからと言われ、納得する。

「昨日、父のお見舞いに行ってきたんです」

 父の体調を報告しつつ、いずれ経営を任せたいと言われた話をした。

「どこまでできるかわかりませんが、頑張りたいと思っているんです」

「そうか、俺も協力するからなんでも相談してほしい」

 即答されて驚いた。

 彼はもっと距離を置いてくると思ったのに。

「ありがとうございます」

「そのつもりで君と結婚して薄羽に来たんだ。医師としてだけじゃなく、できる限りのことはしたいと思ってる」

 にっこりと目を細める彼の、力強い言葉に胸が熱くなる。

 だが彼の表情が気遣わしげに変わった。首を傾げてジッと沙月を見つめる。

「正直に言って欲しいんだが、お継母さんとはうまくいっていないのか?」