私たち、幸せに離婚しましょう~クールな脳外科医の激愛は契約妻を逃がさない~

 スタイルがいいのでなにを着ても似合うが、プライベートモードのせいか、他を寄せ付けない冷ややかなオーラもない。それでもやはり、雑誌から抜け出したモデルのように素敵だ。

「じゃあ、行こうか」

 柔らかい笑みに、思わず頬が熱くなる。

「買い物はどこに行けばいい?」

「えっと百貨店ならどこでも売ってるはずなので」

 欲しいのは岩塩と胡椒用の電動ミルだ。実物を手に取って決めたい。

「主真さんは? なにか欲しいものないんですか?」

「うーん。特にはないが、まぁぶらぶら歩いていれば、なにか思いつくかも」

 もしかしたら最初で最後のデートかもしれない。なにか記念になる物を買おう、絶対。今日の思い出にと、沙月は密かに決意した。

 晴れ渡る空の下、十月の街はハロウィンの飾りで賑わっている。

 まずは百貨店に入りキッチン用品売り場で電動ミルを買い、紳士服売り場を歩いていると、ふと主真が足を止めた。

 コンパクトな財布が気になったようだ。

「小さい財布ですか?」