私たち、幸せに離婚しましょう~クールな脳外科医の激愛は契約妻を逃がさない~

「その後どうだ、契約結婚は」

「ああ、順調だよ」

 自分でも、不思議なくらい順風満帆だと思いながら、主真はこの一年を振り返った。



 ――見合いをしたのは、去年のちょうど今頃。

 アメリカから帰国し、父が理事長を務める青ノ葉大学病院に勤務して半年が経っていた。

「主真、お前、結婚しろ」

 いきなり父にそう言われて面食らった。

 忙しくはあったが、充実した日々に満足していた。脳神経外科医の仕事は天職だと思っている。

 湧き上がる達成感や充実感は、決して恋愛などでは得られない。恋に浮かれ冷静さを失う者を見るだびに、むしろ恋愛は邪魔でしかないと確信していた。

 キャリア優先で家庭を持つことに興味がないし、家に帰ってまで気を遣いたくない。

 ただ漠然といずれは結婚するつもりではいたが、少なくともそれは今じゃない。

 というわけで、当然のように断った。

「嫌だ」