私たち、幸せに離婚しましょう~クールな脳外科医の激愛は契約妻を逃がさない~

 ふと思い出した。

 彼の溢れる色気にあてられている場合じゃないのだ。

 沙月には使命がある。離婚するまでに、彼の再婚相手を見つけなければいけない。

 薄羽病院で見つけるわけにはいかないが、医師会などのパーティーなどで目星をつけようと思っている。

 契約満了までまだ時間はあるが、まずは彼の好みを掴んでおきたかった。なのに――。

「主真さんは、料理が得意な女性が好きですか?」

 鮭の身を箸で解しながら、主真はちらりと沙月を見た。

「できてもできなくても問題ない」

 そう言って彼は素知らぬふりをする。

(もう、そればっかりなんだから)

 顔立ちや雰囲気、身長から性格まで、折をみてはコツコツと聞いているが、彼の答えは決まって〝どうだろうと問題ない〟なのだ。

 このままでは見つけようがない。

「なにかひとつくらい、こだわりたいところ、ありませんか?」

「じゃあ、君は? どんな相手と再婚したいんだ」