あわよくば雰囲気くらいは掴めるかもしれない。
意を決した沙月は、階段で下の階に降りてフロアを進んだ。
血管造影室やSCU(Stroke Care Unit:脳卒中集中治療室)が並ぶ角を曲がると、通りかかった病室から、主真と患者の家族と思われる人が立ち話をしていた。
ハッと息を呑み、その脇を遠巻きにして進む。
主真は白衣は羽織っておらず、青いスクラブを着ている。手術が終わって間もないのかもしれない。
「先生、本当にありがとうございました」
患者の家族が何度も頭を下げる。その目は潤んでいたように見えた。
ちらりと主真を見ると、彼は微笑んでいる。
沙月が見たこともない、包み込むような柔らかい表情にドキッとして胸を打たれつつ通り過ぎると、人懐っこい看護師が「沙月さん」と声をかけてきた。
「珍しいですね、ここで見かけるなんて」
「そう、ですか?」
へらりと笑顔でごまかす。
「ねえねえ沙月さん。青葉先生って、家ではあんなふうに優しいんですか?」
意を決した沙月は、階段で下の階に降りてフロアを進んだ。
血管造影室やSCU(Stroke Care Unit:脳卒中集中治療室)が並ぶ角を曲がると、通りかかった病室から、主真と患者の家族と思われる人が立ち話をしていた。
ハッと息を呑み、その脇を遠巻きにして進む。
主真は白衣は羽織っておらず、青いスクラブを着ている。手術が終わって間もないのかもしれない。
「先生、本当にありがとうございました」
患者の家族が何度も頭を下げる。その目は潤んでいたように見えた。
ちらりと主真を見ると、彼は微笑んでいる。
沙月が見たこともない、包み込むような柔らかい表情にドキッとして胸を打たれつつ通り過ぎると、人懐っこい看護師が「沙月さん」と声をかけてきた。
「珍しいですね、ここで見かけるなんて」
「そう、ですか?」
へらりと笑顔でごまかす。
「ねえねえ沙月さん。青葉先生って、家ではあんなふうに優しいんですか?」



