私たち、幸せに離婚しましょう~クールな脳外科医の激愛は契約妻を逃がさない~

「沙月、ここは俺に任せて、一階のラウンジで待っていてくれないか?」

 主真が心配そうに気遣ったが、沙月は「私も知りたいです」と、その場に残った。

 束の間考え込んだ主真だったが、落ち着いた態度に安心したようで、こくりとうなずいた。

「君には聞く権利があるからな」

 布施は継母から慰めてやってほしいと言われたと暴露した。

 証言は本人の承諾のもと、スマホの動画として残し、布施は沙月と結婚すれば薄羽の理事長にしてやると言われたと、すべてを告白したのだった。



 それから半年が過ぎ――。

「沙月さーん。お腹触らせて」

「はい、どうぞ」

 沙月は相変わらず薄羽で働いている。

 大きく変わったのは経営陣だ。

 理事長は復帰した父に変わりはないが、副理事長として主真が就任した。

 事務長のほかに、専属の経営コンサルタントも加わり、薄羽病院の経営は着実に上向きになっている。

 布施の事件の後、主真にこの件の処理について任せてほしいと言われ、解決は彼に託した。