私たち、幸せに離婚しましょう~クールな脳外科医の激愛は契約妻を逃がさない~

 主真の手が沙月の頬に触れ、顔を上げると吸い寄せられるように唇が重なる。

(好きです。主真さん)

 大きなソファーに横たえられながら今はただ、沙月はこの恋以外、なにもかも忘れようと主真の瞳を見つめた。



 次の日はもともと有給休暇を取ってあった。

 主真を見送って沙月はウイークリーマンションに向かった。

 荷物を整理して、解約の手続きを取る。

 ほんの数日しかいなかったので、たいした荷物はなく、片付けはすぐに終わった。

 いったんレジデンスに帰り、荷物を置いて食材を買いに出かけようか。

 それとも、と考えているとピンポンとインターフォンが鳴った。

「主真さん?」

 昼頃手が空いたら主真が来ると言っていたのだ。

 手伝いなら必要ないと言ったけれど、どんな部屋にいたのか見たいと言う彼を思い出して、笑いながらドアを開けると――。

「えっ?」

 布施道夫が立っていた。

 驚く沙月を尻目に彼は勝手に中に入ってくる。

「お迎えに来ましたよ。沙月さん」