私たち、幸せに離婚しましょう~クールな脳外科医の激愛は契約妻を逃がさない~

 主真は「なるほど、それを気にしていたのか」と微笑んだ。

「アメリカなら、薄羽の経営が安定すれば、もう一度行きたいとは思っている。だが、離婚する気はないし、行くときは君も一緒だ。そうじゃなければ行かなくていい」

「私も一緒?」

「ああ。君が最優先だ。ほかはそれほど重要じゃない。俺がほかに行くんじゃなくて、薄羽を日本一の脳神経専門病院になればいいんだろう?」

 思わず笑った。

「日本一?」

「そうしないと君と一緒にいられないなら、必死で頑張るさ」

 泣き顔が笑顔に変わっていく。

 クスッと笑いながら、沙月は今度は自分から主真の背中に腕を回した。

「私も行きたいです、アメリカに」

「ああ、行こう。子どもも連れて、家族みんなで行こう」

 主真の腕が力強く沙月を抱きしめる。

 もう悩まなくていい。自分の居場所は、主真のこの温かい腕の中だ。そう思いながら、すっぽりと包まれる幸せに、沙月は安心して身を任せた。