私たち、幸せに離婚しましょう~クールな脳外科医の激愛は契約妻を逃がさない~

「初めて恋をした相手が妻で、その妻が俺の子を身籠もってくれた。どれだけうれしいかわかるか?」

「――主真さん?」

 にわかに信じ難い。

 沙月こそ主真が初恋だが、その逆は想像すらできなかった。

「二年後に再婚相手を探すなんて言う君が憎たらしくて、守山と親しげに話をする君を見て自分の気持ちに気づいたんだ」

 なぜ守山という名前がでてくるのかはわからないが。

(もしかしてヤキモチを妬いたの? まさか、そんな)

「俺がこれほど嫉妬深いとは自分でも驚いたよ」

 苦笑する主真の言葉に嘘は見えなかった。

 この場限りの取り繕う言葉にしては表情から気持ちが溢れている。

「沙月。君と離婚なんて、俺にはまったく考えられない」

 ドキドキと胸が高鳴り、喉の奥が苦しそうに音を立てる。

 信じていいのかなと、迷惑じゃないの?沙月は自分に囁きかけた。

「でも、アメリカは? 主真さん、またアメリカに行きたいんでしょう? 私と結婚したままじゃ、ほかの有名病院で活躍できないわ」