私たち、幸せに離婚しましょう~クールな脳外科医の激愛は契約妻を逃がさない~

 いったいどこで手に入れたのか。わざわざ用意してくれたと思うと、良心がチクリと疼く。

「おとといの夜、美華が来たんだ。あいつになにか言われたのか?」

 ハッとしてカップを持つ手を止めた。

「すぐに追い返したが」

「美華はなんて?」

「自分が俺と再婚するとか。呆れたよ」

 うんざりしたように首を振った主真は苦笑してカップを取る。

 主真のカップにはコーヒーが入っている。彼がいつも夜に飲むノンカフェインのコーヒーだ。

(美華が……)

 沙月には寝耳に水だった。

 土曜の午前中、継母に離婚の話をしたが美華とは顔を合わせていない。おそらく継母と何か相談したに違いない。

「美華が言ったこと。そのとおりだって言ったら?」

 努めて冷ややかに言った。

「私が探し当てたあなたの再婚相手は美華だって」

 華子と美華だけが悪いわけじゃない。彼女たちをそうさせてしまっている自分にも責任がある。

(こんな酷い家に巻き込んでしまって、本当にごめんなさい)

 心の中で謝り、まっすぐに主真を見つめた。