なにかのときのために、沙月がスペアを実家に預けたとしても不思議はないが、美華が持っていると思うだけで不愉快極まりない。
有無を言わさず手を差し出すと、美華はうつむいて鍵を主真の手に載せる。
沙月の家族だと思えばこそ、今まで最低限度の礼を尽くしてはいたが、もうその必要はない。
沙月が不貞をはたらいたなどと侮辱をされてまで黙ってはいられない。
「本当なの。本当にあの女は――」
「二度と俺の前に顔を見せるな」
冷たく言い放ちドアを閉める。
呆れたものだ。どれほど自分に自信があればこんな突拍子もない行動に出られるのだろう。
姉の結婚相手の後釜に妹がつこうとでもいうのか。
「ったく、どういう神経をしているんだ」
憤りつつリビングに戻り、再び沙月に電話をかけた。
呼び出し音が続き、留守番電話サービスのメッセージが流れる。
「沙月、どこにいるんだ? 俺はずっと待っているぞ」
できるだけ優しく告げて電話を切った。
それから沙月の父に電話をかけた。とにかく沙月を見つけなければ――。
有無を言わさず手を差し出すと、美華はうつむいて鍵を主真の手に載せる。
沙月の家族だと思えばこそ、今まで最低限度の礼を尽くしてはいたが、もうその必要はない。
沙月が不貞をはたらいたなどと侮辱をされてまで黙ってはいられない。
「本当なの。本当にあの女は――」
「二度と俺の前に顔を見せるな」
冷たく言い放ちドアを閉める。
呆れたものだ。どれほど自分に自信があればこんな突拍子もない行動に出られるのだろう。
姉の結婚相手の後釜に妹がつこうとでもいうのか。
「ったく、どういう神経をしているんだ」
憤りつつリビングに戻り、再び沙月に電話をかけた。
呼び出し音が続き、留守番電話サービスのメッセージが流れる。
「沙月、どこにいるんだ? 俺はずっと待っているぞ」
できるだけ優しく告げて電話を切った。
それから沙月の父に電話をかけた。とにかく沙月を見つけなければ――。



