継母はあの手土産を買ったのか。決して安くはない手土産を、この病院にはまったく関係ない私的な知人のために?
「なんでもいいじゃないの。たった一万円くらい適当に落としなさいよ」
「そういうわけには――」
「そんなことより、主真さんも布施先生くらいにこやかならいいのにねぇ? 少しは見習ってほしいわ」
また始まった。彼女は事あるごとに沙月に対して主真の悪口を言う。
言い返そうものなら百倍になって返ってくるとわかっているので、沙月は密かに胸の内で反論する。
(主真さんのおかげで患者さんの数が戻ってきました。高額な個室の利用者も増えている。というのも、いくらでも出すから主真さんに手術をして欲しいという患者が次々と来るからですよ? わかっていますか? おかあさま)
「傲慢さを隠そうともしないし、布施先生だったらもっとこの病院の雰囲気も柔らかくなるはずよ。ねぇ、あなたもそう思わない?」
沙月が返事をしないものだから、華子は秘書に同意を求める。
「ええ。理事長の仰るとおりです」
「なんでもいいじゃないの。たった一万円くらい適当に落としなさいよ」
「そういうわけには――」
「そんなことより、主真さんも布施先生くらいにこやかならいいのにねぇ? 少しは見習ってほしいわ」
また始まった。彼女は事あるごとに沙月に対して主真の悪口を言う。
言い返そうものなら百倍になって返ってくるとわかっているので、沙月は密かに胸の内で反論する。
(主真さんのおかげで患者さんの数が戻ってきました。高額な個室の利用者も増えている。というのも、いくらでも出すから主真さんに手術をして欲しいという患者が次々と来るからですよ? わかっていますか? おかあさま)
「傲慢さを隠そうともしないし、布施先生だったらもっとこの病院の雰囲気も柔らかくなるはずよ。ねぇ、あなたもそう思わない?」
沙月が返事をしないものだから、華子は秘書に同意を求める。
「ええ。理事長の仰るとおりです」



