私たち、幸せに離婚しましょう~クールな脳外科医の激愛は契約妻を逃がさない~


***
 

「ちょ、ちょっと待って。今、離婚って言った?」

「はい」



 夕食を終えてすぐだった。

『実はちょっと話があるんです』

 深刻な顔でそう言った沙月はいきなりそう言い出した。

「理由は?」

「来月から新しく脳神経外科医が来ると決まったそうですし。おかげさまで、父が復帰できましたから……」

(だから俺はもう必要ないって?)

 愕然とするところに電話が鳴った。薄羽病院からである。

 今日はオンコールなので出ないわけにはいかない。

「そのまま待ってて」

 うなずく沙月を見つめながら電話に出ると、急患がでた呼び出しだった。

「わかった。すぐに行く」

 電話を切ると、沙月が「気をつけていってらっしゃい」と微笑む。

「とにかく、また後でゆっくり話をしよう」

「はい。わかりました」

 とにかく急いで病院に向かった。

 まさか、沙月がどこかに消えるとは思わなかったから――。