私たち、幸せに離婚しましょう~クールな脳外科医の激愛は契約妻を逃がさない~

 考えるのはそれからでいい。ゆっくりと息を吐き、気持ちを落ち着けた。 

 夕方、主真から用事があって青葉の実家に行くと電話があった。

『もしかすると泊まるかもしれない』

「わかりました。ゆっくりしてきてくださいね」

 普段なら寂しく感じたはずが、今の沙月にとっては願ったり叶ったりである。妊娠検査薬で調べるにも、もし妊娠していた場合、主真と普通に接する自信がなかったから。



 はやる気持ちを抑え検査薬を買って家に帰り、早速調べてみた。

 結果は陽性――。

「どうしよう」

 込み上げる涙は喜びの涙だ。

 うれしい。ただうれしいが……。

 自分だけの問題じゃない。

 主真への報告はどうしたらいい?

 彼はたぶん喜んでくれて、このまま離婚はしないと言ってくれるだろう。

 それでなくてもクリスマスに体を重ねて以来、遠い未来の話をしたりする。

 庭のある戸建ての家に引っ越しをしようなんて話を、彼の腕の中で夢物語のように聞いたけれど。

(それでは彼の未来はどうなるの)