私たち、幸せに離婚しましょう~クールな脳外科医の激愛は契約妻を逃がさない~

 ガウンを羽織り、促されるままリビングに行くと、主真は部屋の電気を消してベランダに出る。

 なんだろうとついていくと、空を指さした。

「あっ」

 思わず声が出た。

 キラリと光った星が流れる。続けてまたひとつ。

「ふたご座流星群。ここでも意外と見えるんだな」

「すごい」

 食い入るように見上げていると、ふわりと背中からなにかを被せられた。

 それは主真のガウンで、彼は沙月を包むようにガウンの前を合わせる。

「長居は禁物だぞ」

「はい」

 照れくさいやら、うれしいやらでキュッと唇を結んだ沙月は、空を見上げる彼の瞳の中で、煌めく光に目を奪われた。

 慌てて目を反らしたけれど時すでに遅く、心を掴まれたようにドキドキと胸が暴れる。

 下がったはずの熱がまた上がってしまいそう。

 流れる星に願いをと思いつつ、胸がキュンと切なくなる。

 ありえないとわかっている。だからこそ安心して祈れた。

(どうか、この瞬間が永遠に続きますように……)