私たち、幸せに離婚しましょう~クールな脳外科医の激愛は契約妻を逃がさない~

 心配事が次々と頭の中に湧いてくる。

 考えたところで、今はなにもできないと自分に言い聞かせていると、主真が入ってきた。

 醤油と出汁のいい香りがする。

 もぞもぞと起き上がり、トレイを受け取ると、煮込みうどんから立つ湯気が食欲を刺激してきた。

「おいしそう」

 溶き卵とネギ、そして鶏肉が見える。

「教えてもらったんだ。冷凍のうどんに適当に入れただけだから、味の保証はしないぞ」

 どうやら特定看護師の奈津に聞いたらしい。

「この匂いは、絶対おいしいです」

 宣言したとおり、匙ですくった汁は濃すぎず薄すぎずちょうどいい。

「聞いた通りポーションになっている出汁を使ったんだが、あれは便利だな」

 病院帰りにわざわざスーパーに行き、うどんの材料のほかにヨーグルトやゼリーも買ってきたと聞き、そこまでしてくれたと思うと、うれしくてまた泣きそうになる。

 体に引きずられ心まで弱くなってしまったようだ。