私たち、幸せに離婚しましょう~クールな脳外科医の激愛は契約妻を逃がさない~

「熱は下がったな。ぐっすり寝ているようだったから起こさなかったが、どうだ?」

 寝苦しさもなく、いくらか気分もすっきりとしていた。

「はい。ずいぶん楽になりました。今何時ですか?」

「夜の九時だよ。さあ、飲んで」

 起き上がって渡された経口補水液を飲む。普段はまずく感じるのに、体が欲しているからかとても美味しい。

 その間に主真さんはアイス枕を新しいものに変えてくれた。

「うどんを作った。食べられそうか?」

「はい」

 ベッドから出ようかと思ったものの、まだ体がだるくて力が入らない。

 見透かしたように「持ってくるから、そのまま待っているんだぞ」と言われ、沙月は こくりとうなずいた。

 主真が部屋を出るのを見送り、ゆっくりと息を吐き、またベッドに横たわる。

 継母がまたおかしな伝票で困らせていないだろうか。

 献立通り材料は手に入っただろうか。

 明日は仕事に行けるだろうか。

(主真さん、忙しいだろうに、無理したのかな……)